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《コナン・ザ・コナン》ロバート・E・ハワードの世界
ロバート・E・ハワード
英雄列伝


ジェームズ・アリソン James Allison

【ジャンル】幻想小説(リインカーネーション小説)

【解説】


MARCHERS OF VALHALLA
(Donald M. Grant, 1977)
 前世の記憶を持つ現代人ジェームズ・アリソンが、波乱に満ちた英雄だった前世を語るという、まるでまるでムアコックのジョン・デイカー物を思わせるリインカーネーション・シリーズ。一人称で語られているとはいえ、現代人としてのアリソンはあくまで語り部に過ぎず、過去の英雄の数奇な冒険談そのものが本シリーズの醍醐味である。アリソンの存在は、複数の作品をひとつに結びつけている以上の役割はない。しかし、現代人の口から、英雄だった遠い過去の時代を語らせることによって、郷愁にも似た印象強さを残すことに成功している。

 シリーズ中の代表作と目される"The Valley of the Worm"(妖蛆の谷)は、ハワード全作を通しても上位に置かれてよい力作で、何回も邦訳されているのもうなずける。人知を超えた生物との壮絶な死闘が乾いた語り口でずんずんと語られ、力強いラストへと一気に読者を導いてくれる。ハワードにしては珍しく、荒々しさの中に甘酸っぱい雰囲気が漂う本作は、私もお薦めの一編。

 この作品にしてもそうだが、アリソン・シリーズに登場する主人公/物語は、そこだけを見ればヒロイック・ファンタジーのそれとかなり近い。ひ弱な現代人であるアリソンと対比して紹介される筋骨たくましい蛮勇が、命を賭して妖魔と死闘を繰り広げる。それに加え、どことなくクトゥルー神話の香りが漂っているというか、コナン・シリーズと比べると化物たちの恐ろしさが強まっているのも特徴と言ってよい。

 なお、全作品を読んだわけではないので断言はできないが、前世の英雄たちは決まってハワードお気に入りの北欧系民族のようだ。

【邦訳リスト】

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