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《コナン・ザ・コナン》ロバート・E・ハワードの世界
ロバート・E・ハワード
英雄列伝


コーマック・マック・アート Cormac Mac Art

【ジャンル】歴史冒険小説

【解説】

CORMAC MAC ART
(Baen Books, 1995)
 名高き円卓の騎士アーサー王がブリテン島に君臨していたその時代。周辺海湾を荒し回る北洋ゲール人のバイキングの中に、一人のアイルランド人の姿があった。男の名はコーマック・マック・アート……荒ぶるバイキングでさえも一目おくほどの戦士である。仲間たちは畏敬の念を込め、彼を〈クルイウン〉――〈狼〉と呼ぶ。

 背が高く、青い瞳に黒髪、傷跡の残る焼けた厳しい顔……まさに典型的なハワード・タイプのヒーロー、コーマックが海を陸を舞台に活躍する歴史アドベンチャー!

 読後感でいうならば、かなりコナン・シリーズに近いものがある、このコーマック・シリーズ。しかし、未完を含めて残された4作品のうち、超常現象が登場するのは最も短い作品"The Temple of Abomination"のみである。よってハワード書誌では通常、純粋アドベンチャー、歴史アドベンチャーの部類に分けられる。


THE SIGN OF
THE MOONBOW

(Ace Books, 1980)
 このシリーズは本国アメリカでも人気が高いようで、後の作家によって未完作品の補作はもちろんのこと、新しい短編、長編シリーズまで書かれている。模作長編シリーズはヒロイック・ファンタジーそのものといってよく、キング・カルとも対峙した魔道士タルサ・ドゥームが宿敵として登場するのは面白い。また、1995年から刊行が開始されたベーン・ブックスの『ロバート・E・ハワード・ライブラリー』なるペーパーバック・シリーズでも、その第1巻にこのコーマックが選ばれている。

 作品中で何度かアーサー王の名前が言及されていることは、雰囲気作りに貢献している。そのアーサー王率いるブリテン人とは敵対関係にある人々を中心に据えることで、逆に主人公たちへの思い入れが強まる効果を生んでいるのではないだろうか。

 主人公コーマックと常に行動を共にするのは、バイキングの首領であり、〈スカル・スプリッター〉(頭蓋骨砕き)の異名を取るウルフェアである。斧を振り回す豪傑ウルフェアとコーマックは強い信頼関係に結ばれており、それを味わうのもまた良し。

 比較するわけではないが、コナン・シリーズは各作品がほとんど関連がないため、このような男と男の友情が発展的に描かれることは少なかった。対するに、例えばキング・カルと相棒ブルールや、このコーマックとウルフェアなど、別シリーズでは魅力的なペアが少なくない。コナン・シリーズにしか接していない人にも、ぜひ味わってほしい世界である。

【作品リスト】4編(うち未完作2編)※模作は除く

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