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《コナン・ザ・コナン》ロバート・E・ハワードの世界
ロバート・E・ハワード
英雄列伝


スティーブン・コスティガン&ジョン・ゴードン
Stephen Costigan & John Gordon

【ジャンル】ウィアード(幻想)探偵小説

【解説】

SKULL-FACE
(Berkley Books, 1978)
 イギリスの麻薬窟で麻薬ハッシシの虜となり、生きる意思さえ失ったアメリカ人スティーブン・コスティガン。あるとき闇の組織を統べる謎の男の目にとまり、神秘的な霊薬を餌にコスティガンは彼〈マスター〉の配下となった。そこから運命が動き出したコスティガンは、同じく〈マスター〉配下の美女ズレイカ、英国警視庁〈スコットランドヤード〉の腕利き刑事ジョン・ゴードンと出会う。〈マスター〉を裏切ったコスティガンは、ゴードンとともに組織の壊滅に乗り出した……。

 "Skull-Face"「スカル・フェイス」で登場したコスティガンは、当初、徹底的に弱い人間と描かれる。肉体的な弱さではなく、精神的な弱さである。何事につけアグレッシブなスタンスを崩さないハワード作品にあっては、異色と言ってよいキャラクターの一人だ。その彼が、物語の進展とともに強い精神力を取り戻していくあたりも、ハワードにしてはいつにない繊細さである。"Skull-Face"「スカル・フェイス」はハワード初の単行本のタイトルになるなど、重要作の一つとして扱われることが多いが、作品の出来を見ればそれもうなずける。

 ハリソン・シリーズにおけるエルリク・カーンと同じく、こちらにも神秘的な敵が登場。配下からは〈マスター〉とよばれ、〈スコーピオン〉〈スカル・フェイス〉の異名も持つカスロスがその人だ。この人の正体はエルリク・カーン以上に謎に包まれており、どうやら通常の概念では説明できない過去を持つ。探偵小説の域を越え、ウィアード(幻想)探偵小説と冠するのがふさわしいようだ。そのあたりが、ハリソン・シリーズとの決定的な違いなのだが、それでも作風自体は両シリーズでさほどの違いがあるわけではない。

 一応シリーズとして扱ってはいるが、実際には "Skull-Face"「スカル・フェイス」とその続編たる "Taveral Manor" の二作品のみが残されている。しかも "Taveral Manor" は未完で、ハワードの死後リチャード・A・ルポフによって補完された。この続編には、スティーブ・ハリソン・シリーズにも登場するジョアンという女性が顔を見せており、一種のクロスオーバー作と呼べるかもしれない。ただしジョアンの登場がハワードのアイディアなのかルポフの独断なのかは定かではない。

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