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《コナン・ザ・コナン》ロバート・E・ハワードの世界
ロバート・E・ハワード
英雄列伝


カービー・オドネル Kirby O'Donnell

【ジャンル】オリエンタル冒険小説

【解説】

THE SWORDS OF
SHAHRAZAR

(Fax Collector's Editions, 1976)
 フランシス・X・ゴードン〈エル・ボラク〉シリーズの姉妹編。事実上、登場人物の名前を置き換えただけの同一シリーズと見なしても間違いではないだろう。オドネルもまた、アフガニスタン付近を暴れまくる西洋人冒険家で、ゴードンの分身そのもの。発表作品の数で勝負をしたパルプ雑誌作家ならではの、苦肉の策である。ハワードの他のシリーズでは、船乗りボクサー、コスティガンとドゥガンの両シリーズが、やはり分身のようなキャラクターだった。

 カービー・オドネル・シリーズの作品数は3作しかない。決して多いとはいえないが、ハードカバーにしてもペーパーバックにしても、人気のあるゴードン・シリーズと組みにされることが多かったため、それなりの存在感は残しているといってよいだろう。少なくとも、ゴードン・シリーズのうち死後発見された初期作品よりは、完成度が高いのは確かだ。

 ゴードンが〈エル・ボラク〉の異名を取るならば、こちらオドネルは〈アリ・エル・ガジ〉と呼ばれる。〈エル・ガジ〉とは現地の言葉で、〈山のライオン〉を意味するという。何やらコナンの異名である〈アムラ/獅子〉を彷彿とさせるものがある。だからというわけではないだろうが、死後発見されたオドネル作品のひとつが、ディ・キャンプによってコナン物に改作されている。名前の置き換えと、コナン世界に合わせた超常現象の追加以外は、オリジナルの薫りを強く保っているわけで、その事実からもオリジナル作品の完成度の高さがうかがえる。それゆえ、「なんでわざわざ、超常現象など追加してコナン物にする必要があるのか」という、ディ・キャンプ改作行為に対するお決まりのボヤキがここでもポロリと出てしまう。

 なお、ディ・キャンプに改作されたオドネル作品は、その後オリジナルの形で単行本に収録されたので、御安心を。例によって、この変則的な“パラレル・ワールド”を比較して楽しんでみるのも良いだろう。

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